経営者にはふた通りの人種がいます。1人目は、単発で儲けて終わる経営者、いわゆる「狩猟型」です。2人目は、継続して儲け続ける経営者、いわゆる「農耕型」です。両者の違いはなんでしょうか?
この答えを導き出すために、一つのデータを用いましょう。帝国データバンクの企業倒産集計の2016年上半期版です。
https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/pdf/16kami.pdf
見ていただくと、一目瞭然ですが、一番の原因は「販売不振」です。実に倒産原因の8割も占めています。要するに、お客さんが買ってくれない=お客さんがいないということです。
経営で最も難しく、かつコストがかかることは何かご存知でしょうか?これをセミナーなどで受講生に質問すると、決まって出てくるのが「人件費」です。ところが、人件費は大したコストではないのです。
最もかかるコスト。それは「新規顧客の開拓」です。新しいお客さんを見つけることが経営では最も労力がかかるし、コストもかかるのです。本当か?と思う方は、街中を見渡して見てください。あらゆる広告や宣伝を見かけるでしょう。どの会社も新規顧客の開拓には多大なコストをかけているのです。新規顧客の開拓ができないと、販売不振になり倒産してしまうわけです。
では、継続的に儲かり続ける経営者はどうしているのでしょうか?答えは簡単です。新規顧客の開拓コストを徹底的に下げているのです。どうすれば、新規顧客の開拓コストを下げることができるのでしょうか?
答えは「口コミ」にあります。え?そんな簡単なことなの?と思ったかもしれません。そうなのです。口コミこそが継続的に儲かる経営者であるための秘訣なのです。では、どうすれば、口コミが起きるのでしょうか?
ザックリといってしまえば、「信頼関係」です。商売は信頼「関係」で成り立っています。よい仕事をしたり、よい商品を提供すれば、紹介が増えたり、口コミをしてくれたりします。シンプルですよね。
でも、なぜか、世の中の会社はそうでなかったりします。せっかくお金を払ったのに、良い仕事をしなかったり、良い商品を提供しなかったり。中には、お金だけもらってトンズラする詐欺師もいたりします。しかしながら、それは余計にビジネスを難しくしてるわけです。
なぜなら、また新規のお客さんを開拓しなければならないから。いわゆる「狩猟型」です。何度も言うように、新規のお客さんの開拓は本当に大変です。コストもかかるし労力もかかります。人間関係を一から築くことがどれだけ大変かは、想像に難くないはずです。
だったら、目の前のお客さんにしっかり良い商品やサービスを提供した方が、はるかにビジネスは楽になります。いわゆる「農耕型」です。儲かり続ける経営者は、新規顧客の開拓する→良い商品やサービスを提供する→口コミや紹介が起きる→顧客獲得コストが下がる→儲かるというパターンです。
反対に儲からない経営者は、新規顧客の開拓をする→悪い商品やサービスを提供する→悪い口コミが起きる→また新規顧客の開拓をしなければならない→儲からないという悪循環の繰り返しです。
何度も言いますが、儲かり続ける経営者になるためのキーワードは「口コミ」です。会社経営人生は長く続きます。本来であれば、やればやるほど楽になる、それがビジネスです。参考になれば幸いです。